PowerpointにもKeynoteにも真似できない表現力Preziでライバルに差をつけろ

今回ご紹介するプレゼンソフトがこちらPrezi。これまでのスライド形式のプレゼンソフトとはまったく異なる動きをする。一度実際に見て頂ければ一目瞭然。下の画像をクリックすると、Preziが実際に動いているところを見られるようになっている。

このズームイン、ズームアウトを含む独特の動きがお分かりいただけただろうか。まるで映画のカメラワークのようだ。デザイン自体はそれほど派手ではないものの、その動きによって、見せてくれる。この作品のような見せ方がPreziの最大の魅力。

 初めて見ると「なんだこれは!」とすごく作り込んだ、他者とは違う面白い企画なのではといった印象を受けるので、特に、コンペ案件や競合との差別化を図りたいビジネスマンにうってつけのサービスだと言える。筆者は、これまで多くの企業のプレゼンテーションデザイナーとして、重要なコンペ案件や講演資料、製品紹介や人材採用などの場でのプレゼン制作を行ってきた。

編集のしやすさや、これまでの慣れといったところでPowerpointでの納品を希望されるクライアントが多いが、個人的にはこのPreziをお勧めしたい。

少しずつ日本でもPreziの知名度が上がっているのかな、という印象はあるが「面白そうだけど使い方がよくわからない」という理由で、まだまだ本格的に導入している企業や個人は少ない気がしている。そこで今回は、Preziの特徴を整理しながらご紹介して行こうと思う。


時代に合ったプレゼンソフトへ

Preziはプレゼンソフトの1つである。PowerPointやKeynoteと同じように、大きなスクリーンに表示し、人の前で発表する資料を作るためのものなのだが、実はソフトとしての考え方がこれまでのプレゼンソフトとは大きく異なる。

PowerPointやKeynoteが「1台のPCで1つのファイルを作成してプレゼンする」という概念であるのに対して、Preziは「インターネット上でプレゼンテーションを作り、アイデアを世界中で共有しよう」という発想に基づいて設計されている。SNSの流行しているこの時代にまさにマッチしたソフトと言える。

ソフトウェアをPCにインストールする必要はない。使い方は簡単で、ウェブブラウザー上(Internet ExplorerやGoogle Crome、safariなど)でPrezi.comにアクセスするだけで使用できる。これがいい!プレゼンの作成も、表示もすべてブラウザー上でできてしまう。この感覚は、PC版のFacebookやTwitter、LINEを想像してもらうとわかりやすい。どのPCからでも、ブラウザーを立ちあげて自分の登録メールアドレスとパスワードでログインすれば、Preziのマイページを開くことができる。

作ったPreziにはURLがあるので、そのままSNS上でシェアすることができる。どこかにアップロードするという手間はいらない。ブログに埋め込むことも可能。実際に、このページにも埋め込んであるのでご覧いただきたい。

ちなみに、専用アプリもあって、それをダウンロードすれば、iPadでは編集・表示、iPhoneでは表示ができる。編集したデータは常に同期されているので、デバイスを選ばず常に最新版のデータでプレゼンが可能だ。


無料で使える! ただし注意が必要

Preziを実際に使ってみたいと思ったとき、まず気になるのが料金ではないだろうか。「無料のプレゼンソフト」として使うこともできるが、使用可能な機能が若干プランによって異なる。

ベーシックプランであれば、と無料で使いはじめることができる。これは嬉しい!先ほどの臨場感あふれるプレゼンを無料で作り、共有することができる。

ただし注意点が1点。無料プランのままだと、自分が作ったものは常に公開設定になるという点にある。この仕様の背景には、先述の「インターネット上でアイデアを共有しよう」という理念があるわけだが、多くのユーザーが戸惑うのがここでもある。

もちろん公開といっても、全世界で1億以上のPrezi資料が公開されているので、Prezi.comの検索窓で、自分の名前や作ったPreziのタイトルを検索する人がいなければヒットしない。だが、ビジネスで使うプレゼンが公開されている、という状況そのものがネックになることは多いだろう。

 この公開設定をプライベート設定に切り替えたい場合は、Standardプラン(月額$5)で閲覧者の制限をかけることができる。喫茶店でコーヒー1杯飲んだと思えば安いものである。またPlusプラン(月額$15)を支払うと、ポータブルプレゼンといって、ネットに繋がっていないときでもプレゼンが可能になったり、動画を埋め込んで、さらに磨きをかけることも可能だ。

最上級グレードのPremiumプラン(月額$59)はオンライントレーニングを受けたり、電話サポートを受けられるプランだが、正直ほとんどの人はPlusプランまでで十分な気がする。筆者のように、プレゼン資料提供を本業としている方以外は無料でもかなり納得のいくプレゼンが仕上がるはずだ。


PowerPointとはどう違うのか?

多くの人が使用するプレゼンソフトとしてはPowerPointが圧倒的に有名だろう。MacユーザーであればKeynoteを使う人もいるだろう。Preziの特徴を紹介するにあたって、最も多くの人に馴染みのあるPowerPointと比較してみたい。

ただ最初に断っておきたいのは、PowerPointとPreziにはそれぞれの長所短所がある。使い分けが大切だ。必ずしもPreziが万能というわけではないし、PowerPointからPreziに乗り換えればいいというわけではない。

しばしば例えに出されるのが、PowerPointが「紙芝居」であるなら、Preziは「ホワイトボード」という表現だ。たとえば、Preziの特徴をPowerPointで表現すると、こんなふうになる。

一方で、Preziで表現した場合は以下のようになる(画像をクリックするとPreziを再生できる)。これが先ほどのPrezi。

同じ内容でも、受ける印象がまったく異なるのではないだろうか。ただし、Preziの方がクリエイティブで目新しく見えるのは最初だけだと言っておこう。見慣れてくるとそうでもなくなる(このあたりはPowerPointのテンプレートと同じだ)。だからここではあくまで本質的な構造を比較していこう。

PowerPointは、「スライド」というサイズの決まった台紙がある。ご存知の通り、このスライドに文字やイラストを配置して作っていって、1枚目のスライドがいっぱいになったら当然2枚目、3枚目、というように台紙を追加していく。

ところがPreziには「スライド」という概念がない。大きな1枚のホワイトボードがあるだけだ。しかもこのホワイトボードはバーチャルな空間なので、とても広く、端というものがない。Preziではこの広大な空間に、すべての言いたいこと、伝えたいことを置いていくイメージである。場所はどこに置いてもかまわないし、サイズも傾きも揃っていなくて構わない。「マインドマップ」と似た発想だ。マインドマップについては、別の記事で触れることとしたい。


プレゼンの基礎ここにあり!

こんなふうにバラバラに配置したものをどうやってスクリーンに表示するかというと、書き散らした文字や配置した画像を、「パス」と呼ばれる動線でつないでいく。すると、ホワイトボード上のそれぞれの要素の間をカメラが移動するような動きが自動で作られる。これがPreziの独特な動きの正体だ。

PowerPointでは、空白の台紙を置いてその後に言いたい要素を書いていくので、枠ありきの作り方だが、一方でPreziは言いたい要素をすべて先に置いてしまってから、あとで表示順を決めていくので、内容ありきで作られる。プレゼンの組み立て方の発想そのものが異なっている。

筆者がPreziを勧める理由がここにある。全体像を想像してから、その表現方法を考える。あくまでプレゼンは内容ありきなのだ。


Preziの強みは、その「表現力」

 Preziには、アイデアを視覚的に表現するという強力な強みがある。表現力といっても、凝ったイラストや写真を使うという意味ではない。もちろんそうした素材が準備できれば強力だが、シンプルに文字だけでもこの視覚効果は得られる。ここがPowerpointやKeynoteと異なるところだ。

工夫するのはレイアウト。例えば、作業フローや体制図、相関図といった各要素の関連を表すこともできる。

1枚の図で表現するよりも、全体像から始まって要素ごとにフォーカスする動きが加わることでより直感的に理解することができる。

いかがだっただろうか。Preziという新しい概念が、日々のプレゼン資料作り、アイデアの表現方法、他者との差別化といった点で少しでもお役に立てば幸いである。これに限らず、別の記事でもPreziについては書いて行こうと思うので、読者登録、SNSでのシェアなどしてもらえると嬉しい。


著者情報

プレゼン資料&動画作りのエキスパートGN1。課題やテーマ設定、構成、デザインに到るまでのストーリーを提供。数多くの企業の資料&動画制作をサポートし、商品・サービスの認知拡大、販売促進に貢献。

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